大手銀行が発行する「劣後債」が個人投資家の人気を集めている。劣後債は社債の一種で、金融危機で業績が悪化した大手行が自己資本を強化するため個人投資家向けに発行した。超低金利の中で利回りの高さが受け、購入希望の投資家が相次いでいるという。
三菱UFJ信託銀行は5日、総額1000億円の個人向け劣後債の募集を始めた。8年物で利回りは年2.52%。1口200万円だが、「需要は旺盛」(同行)で、販売する証券会社には初日から購入予約が殺到した。
三菱東京UFJ銀、三井住友銀、みずほコーポレート銀は3月に相次いで劣後債を発行した。どれも人気が高く、三菱東京UFJ銀では事前の顧客の問い合わ せが多かったため、発行額を当初予定の2000億円から4500億円に増やして対応したほど。中央三井信託銀も今月中に500億円を募集する予定で、今年 に入っての大手行の発行総額(予定も含む)は8500億円を超す。
個人向け劣後債発行の背景には、これまで劣後債の有力な引受先だった保険会社など機関投資家の投資余力がまだ回復していないことがある。「金融危機で痛手を負った個人投資家も株式投資には慎重」(大手行)とみて、大手行は個人向け劣後債に着目した。
各行の購入単位は100万~250万円と、機関投資家向けの1億円程度から大幅に小口化されている。利回りも8年物で2~3%程度で、国債や定期預金より有利だ。
利回りが高い分、銀行側にとっては経営の負担になる恐れがある。それでも09年3月期決算で大幅赤字に陥った大手行にとって自己資本の強化は優先課題。日興シティグループ証券の野崎浩成アナリストは「今後も個人向け劣後債の発行は増えそうだ」とみている。【小倉祥徳】 -毎日新聞
◇個人向け劣後債発行状況
三菱東京UFJ 4500億円
三井住友 1300億円
みずほコーポレート 1230億円
三菱UFJ信託 1000億円
中央三井信託 500億円
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