米国Wall Street Journal紙の6月29日付の記事によると、米国Dellは、ライバルである米国Appleに追随し、インターネット・アクセス用に設計されたハンドヘルド・デバイスを開発しているという。
Wall Street Journalは、消息筋の情報として、AppleのiPod Touchに似ているがやや大型で、携帯電話機能を省略した試作デバイスをDellの技術者が開発していると報じている。このデバイスは年内に出荷されるもようだが、計画が中止になる可能性もあるという。
Dellの試作デバイスは、英国ARMが設計したチップを搭載し、LinuxベースのOSであるAndroidが稼働するという。ARMのチップは、スマートフォンを含むほとんどのハンドヘルド・デバイスで使用されている。
Dellは、噂や憶測に対してコメントすることはできないとしている。
この噂がほんとうならば、モバイル・インターネット・デバイス(MID)と呼ばれるデバイスの市場にDellが初めて参入することになる。MIDは、スマートフォンとネットブックの性格を併せ持つポケット・サイズのマシンだが、画面が小さくバッテリ駆動時間も短いため、あまり普及しているとは言えないのが現状だ。
J. Gold Associatesの主任アナリストであるジャック・ゴールド(Jack Gold)氏は、DellがMIDを開発している可能性はあるものの、「日の目を見ない可能性もある」と指摘する。Dellは、低価格の製品を大量に販売するというビジネス・モデルに依存しており、MIDのように実験的な性格の強い製品を投入するのは大きなリスクを伴う試みだからだ。
「DellがMIDを投入するということは、従来のPCのインストール・ベースと異なる分野に参入するということを意味している。ネットブックのほうが、これまで同社が販売してきた製品に近い」(ゴールド氏)
またゴールド氏は、MIDはスマートフォンに近い製品であり、この種のデバイスを販売する際には、WiMAXなどのインターネット・アクセス・サービスを提供している移動体通信事業者と本格的に提携したり、ハードウェアの販売奨励金を提供するために、WiMAXを後押ししているIntelなどとの提携を強化したりする必要があるとも語っている。
さらに、スマートフォン市場におけるDellの存在感が薄い点もMID販売には不利な材料だ。このため、独自に製品を開発するよりも他社の製品を販売する方が合理的という見方も成り立つ。「市場は飽和状態であり、Hewlett-Packard(HP)ですらスマートフォンの販売不振に苦しんでいる」とゴールド氏は指摘する。
一方で、無線通信業界に詳しいアナリストのジェフ・ケーガン(Jeff Kagan)氏は、無線通信市場がもはや携帯電話だけの世界ではなくなっているとして、MIDに関する研究を行うこと自体が重要であるという見方を示している。同氏によると、WiMAXなど無線技術の選択肢が広がる中、DellやAppleなどのハードウェア・ベンダーも、これまでとは異なる形態の無線デバイスを投入し、新たなユーザーの獲得に動いているという。-Computerworld.jp
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