電子書籍を購入して読む携帯型端末「キンドル」が今月、日本でも発売された。1500冊分もの本が単行本程度の端末に収まり、気軽に持ち運びできる未来型の電子ブック。日本の読者に受け入れられるのだろうか。
「通勤電車の中、つり革を持ちながら片手で新聞も読めます」。今月中旬東京で行われた記者会見。キンドルを販売する米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムの担当者は自信をみせた。
キンドルは縦約20センチ、横15センチ、厚さ9ミリ、重さは290グラム。薄い単行本1冊程度の大きさだ。本・新聞・雑誌など約28万種類の書籍を、紙媒体より割安な値段でダウンロードできる。提供可能なのは英語のみで、日本語にはまだ対応していない。端末は279ドル(約2万5000円)。
文章は縦約14センチのディスプレーで読み、両サイドのボタンでページをめくる。本と違うのは、字の大きさを6段階で変えられる点と、自動読み上げ機能があり、「聞く」ことができること。また小さな端末に本が収まるので、本を大量購入してもかさばらない。
使い心地はどうなのか。米ワシントン大(ワシントン州シアトル)非常勤講師のサーディア・ペッカネンさんは「年配者には使えないと思ったけど、易しかった。ぐいぐい読み進めたい小説を読むには便利」と語る。
難点は、ページを行きつ戻りつするのが難しいことだという。「読み返す必要がある時は、紙の本がいい」。ペッカネンさんは夫婦ともに学者で、活字中毒を自任する。「旅行は本を何冊も抱えていった。キンドルだと軽くていい」
日本でもすでに携帯電話やゲーム機端末で本が読まれ始めている。総務省によると、携帯電話での電子書籍の販売額は395億円(08年)。前年比79%増と急増している。また携帯ゲーム機のニンテンドーDSの電子書籍ソフト「DS文学全集」は07年の発売以来、約26万本が売れた(エンターブレイン調べ)。KDDIは電子書籍を読みやすい携帯電話を今春発売した。
キンドルも日本語書籍をダウンロードするサービスを検討中だ。今後は、漫画や小説などコンテンツを提供する出版社がどう乗ってくるかが焦点だが「まだ研究中」(講談社)と様子見の所も多い。【岡礼子、國枝すみれ】-毎日新聞
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