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海外 : 欧州最後の独裁国家ベラルーシ 経済危機で「SNS革命」ジワリ広がる
投稿日時: 2011-07-04 09:37:33 (103 ヒット)

深刻な経済危機に陥っている旧ソ連のベラルーシ(人口約960万人)で、「欧州最後の独裁者」と称されるルカシェンコ大統領への抗議機運が高まりつつある。フェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて「革命」を呼びかける運動も現れた。政権は弾圧強化で危機を乗り切る構えだが、国民の不満を抑え続けられるかどうかは不明だ。(ミンスク 遠藤良介)

首都ミンスク中心部の広場前に突如、若者を中心とした約1千人の集団が現れた。プラカードを掲げるのでも、スローガンを叫ぶのでもない。人々はただ歩きながら定期的に手をたたき、道行く車が呼応してクラクションを鳴らす。

ルカシェンコ退陣を求める反政権運動「SNSによる革命」が6月半ば以降、毎週水曜日に国内各地で行っている「無言の抗議行動」だ。6月29日のミンスクでは約150人が治安当局に拘束され、外国報道陣にも負傷者が出た。

大統領選の元候補の夫が投獄され、自身も裁判中の女性ジャーナリスト、ハリプさん(43)は「ルカシェンコは反政権派を完全に一掃するつもりでいるが、経済危機による反発もまた強まっている」と指摘。「政権が倒壊するとすれば、内部のクーデターなどではなく、大衆の行動と世界からの圧力によるものとなるだろう」と話す。

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政権は5月、自国通貨のベラルーシ・ルーブルを主要外貨に対して54%切り下げたものの、実勢レートはそのさらに5割も安い。

市内の家電店では商品がまばらにしか陳列されていない棚が目立ち、タクシー運転手らは米ドルでの支払いを求める。食料品の値上がりも激しく、市場の買い物客らは「数カ月間で給料が半分になったに等しい」と声をひそめた。

1994年就任のルカシェンコ大統領はソ連崩壊後の市場経済化や民主化の流れに逆行し、ソ連型の経済体制を温存した。これまでロシアなど外国や国際通貨基金(IMF)の借款で苦境をしのいできたものの、今年に入って外貨はほぼ枯渇状態となった。累積対外債務は国内総生産(GDP)の4割にのぼる。

2年半の獄中経験をもつ元ベラルーシ国立大学長のコズリン氏(55)は「状況はソ連崩壊前と似ている。90年代に(ロシアや東欧諸国のような市場経済化の)痛みを味わわなかったことのツケが回ってきたのだ」と解説する。

経済危機の根本的原因は、国内産業の競争力不足による対外赤字拡大だ。ロシアが近年、ベラルーシ向け石油・天然ガスの価格を引き上げたことに加え、ルカシェンコ氏が昨年12月の大統領選前に公務員給与を4割引き上げたことが消費を刺激して痛打となった。

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「危機は存在しない。パニックと投機が外貨の買い占めをもたらしたのだ」

ルカシェンコ氏は国内向けにこう説明し、反政権派を「投機家」とみなして、粉砕する方針を鮮明にしている。軍の2倍以上とされる規模の内務省部隊も健在で、政権の行方については見方が分かれる。

ジャーナリストのオグルツォフ氏(62)はSNSを通じた「革命」運動について「政権は参加者を追放するよう大学などに圧力をかけており、下火になるのではないか」と指摘。ボグダンケビッチ元中央銀行総裁(74)も「政権にはまだ国有企業をロシアに売却するなど外貨を得る手だてがあり、当面の政権転覆はあり得ない」と語る。

これに対し、前出のコズリン氏は「人々はもはやルカシェンコを信じておらず、ルカシェンコは政策の誤りを認めない。これでは危機脱却に必要な改革は不可能だ」とし、エジプトなど中東・北アフリカで相次いだような大衆行動による政変を予測している。-産経新聞


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