
【海外】 ロシアを悩ますアルコール禍 殺人者の8割は泥酔者
投稿日時 2009-09-01 09:10:58 | カテゴリ: エンターテイメント
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福岡県警小倉南署の巡査部長が飲酒運転をしてひき逃げ人身事故を起こし、改めて飲酒にまつわる問題がクローズアップされているが、日本よりもさらに深刻なアルコール禍に悩まされている国がある。アルコールの強い酒「ウオツカ」で知られる国、ロシアだ。
国民1人あたりの年間アルコール摂取量は日本人平均の約2・5倍にあたる約18リットル。40代と50代の半数以上にアルコール依存症の症状がみられ、酒の過剰摂取が原因で亡くなる人は年間50万人にも達するという。
酒はときに人の正常な判断を狂わせ、人を死に追いやる。ロシアでは、アルコールにまつわる悲惨な事件・事故が絶えない。
ウラル山脈西側にある100万都市、ペルミ市。7月26日、日曜日の昼下がり、買い物客でにぎわう商店街の通りに、突然、1台の車が突っ込んできた。
車は日本製の三菱ランサー。人を次々になぎ倒し、映画館の壁にぶつかってようやく止まった。この事故で、生後6カ月の赤ちゃんを含む4人が死亡。赤ちゃんの母親の17歳の女性が両足を複雑骨折するなど数人が大けがを負った。
車は、前面がぺちゃんこになり原形をとどめぬほどに大破した。ハンドルを握っていた34歳の男性は事故当時、べろんべろんに酔っていた。血液中から高濃度のアルコールが検出され、地元の警察に逮捕された。
目撃者によれば時速120キロの猛スピードで走行し、通りに突っ込んできたのだという。車はまさに、人を死に追いやる凶器と化したのだった。
日本ならばこうした悲劇が起これば、3年前の福岡県で発生した3幼児死亡事故のときのように、全国で飲酒運転根絶を訴える動きが活発になるのだが、ロシアではそうならない。こうした飲酒運転事故は、日常茶飯事なのだ。
2週間後の8月12日、今度はモスクワ中心部で飲酒運転による死亡事故が発生、55歳の男が乗った車は父親と2人の娘を襲い、4歳の女の子が亡くなった。
ロシアでは、今年の上半期だけですでに、交通事故で1万277人が死亡している。その数は日本の約5倍。そのうち、ドライバーの飲酒運転により亡くなったのは全体の約7%の715人にも達する。
酒におぼれた親が育児を放棄し、子供を死なす事件も相次いでいる。
ロシア東部、ウドムルト共和国の首都イジェフスクでは、7月11日、生後間もない男の子の赤ちゃんが亡くなった。母親が抱きかかえようとした際に、赤ちゃんを誤って下に落としてしまったからだ。しかし、母親は赤ちゃんが鼻と耳から出血しているのを気付かず、そのまま昼寝してしまった。
赤ちゃんの異常に気付き、医者を呼んだときにはすでに時遅し。赤ちゃんは脳挫傷で死んでいた。
母親は朝から酒を飲み、昼間から、酩酊(めいてい)状態だった。アルコール依存症にかかり生活は乱れきっており、赤ちゃんは約10日間、一度も身体を洗われたことはなかった。亡くなったときも、長時間、ミルクすら与えられていなかった。
ロシア政府当局は、「殺人者の80%は犯行当時、泥酔状態である」という調査報告書を作成している。アルコールは子供を養う親の感覚さえまひさせる恐ろしい液体にもなりうる。
シベリア地方の小さな村では、生後4カ月の赤ちゃんが母乳を飲んだ直後に死亡。今年5月、母親が子供を死なせた罪で、懲役1年(執行猶予3年)の判決を受けた。
アルコール依存症の母親が授乳の前に、0・5リットルの希釈エタノール液を飲んでおり、母乳の中にエタノール成分が含まれていたのだという。赤ちゃんはエタノールにおかされて死亡したのだった。
メドベージェフ大統領は同国のアルコール被害を「国家の災難」と称し、この問題の根本的解決に取り組もうとしている。
しかし、極寒の地・ロシアでは、人々は身体を温めるために、ウオツカのような強いアルコール飲料を飲むことを習慣としており、日常生活の中で、アルコールを切り離すことは容易ではない。
世論調査では、「国民に危機をもたらすものは何か」との問いに、アルコール禍が全体の2位にランクインしている。ロシアでは、アルコール被害は国民全体が悩む「今そこにある危機」なのだ。-産経新聞
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